「嫌いな人はいない」といわれるほど、子どもから大人まで年齢・性別問わず愛されるカレー。
カレーの美味しさはもちろん、その健康効果が近年とても注目されています。
現在はインスタントやルウなど、簡単に作れるようになっていますね。
でも、元々カレーは複数のスパイスから作られているもの。
そのスパイスには、漢方薬として使われているものも多く、それぞれの健康への効果が期待できます。
夏の終わり、夏バテ気味という方も、お仕事でお疲れの方も、身体の調子を整えるにはカレーの本格スパイスアレンジがおすすめです。
今回は、通常のカレールウやインスタントに加える、おすすめのスパイスと一緒に
スパイスを使った「カレーと食べたい小皿料理」も合わせてご紹介します。
A.ガラムマサラ
B.カルダモン
C.クミン
ガラムマサラとは、3~10種類程度のスパイスを混ぜたミックススパイスです。
基本となるのは、シナモン・クローブ・ナツメグの3種類のスパイスですが、その種類や配合に明確な決まりはありません。
日本で販売されているガラムマサラの場合、辛さを加える用途が多いためレッドペパー(唐辛子)が含まれていることもあります。
健胃効果
ガラムマサラに含まれるナツメグやクローブには、消化を促進する働きがあります。これらは漢方では生薬としても使用されるもので、内臓の不調を改善する効果が期待できます。
カルダモンは、ユーカリ油とレモン油、樟脳(ショウノウ)の入り混じったようなスパイシーだけど爽やかな強い香りが特徴です。
チャイなどにも使われ、世界で最も古いスパイスともいわれています。
発汗作用
アラブ諸国などの暑い地域では、暑い日に体の熱をとるためのスパイスとして、逆に北欧など寒い地域では体を温めて血行を促進させるスパイスとして使われているカルダモン。
まるで正反対とも思えるその効果の元は、どちらも発汗を促す作用によるものだといわれています。発汗すると、汗が蒸発するときに気化熱を奪って体温を下げる働きをし、寒いときには血行を促進してくれるので体が温まります。
エスニックカレー独特の香りの元でもあるクミン。
美容や健康にも高い効果をもち、古代エジプトでは医療目的でクミンが用いられることもあったといわれています。
抗糖化作用
抗糖化作用とは簡単にいうと「老化防止作用」のことです。
糖化とは、糖とたんぱく質が結びつくことによってたんぱく質が変性・劣化し、老化物質を作りだしてしてしまうことをいいます。
クミンに含まれる成分が、この糖とたんぱく質の結合を阻害したり、余分な糖の吸収を抑えるため、老化防止に役立ちます。
上:玉ねぎのスパイシーピクルス
中:カルダモンのパクチークリーム
下:ゆで卵のクミン風味
ガラムマサラ | 小さじ1 |
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玉ねぎ | 1/2個 |
レモン汁 | 大さじ1 |
砂糖 | 小さじ1 |
塩 | 適量 |
カルダモンパウダー | 小さじ1 |
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クリームチーズ | 100g |
パクチーみじん切り | 大さじ1 |
クミンシード | 小さじ1 |
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たまご | 3個 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
塩、こしょう | 適量 |
作った小皿料理は、カレーと一緒に一皿に盛り付けても良し。
色味もプラスでき、カフェ風のおもてなしカレーが完成。
市販のカレーでも本格的な味わいにするには、いくつかスパイスを持っていると便利です。私がよく使うのは、ガラムマサラ、クミン、カルダモンです。
ガラムマサラは、カレーの仕上げに入れると本格的な味わいになりますし、クミン、カルダモンはシードを油で炒めて加えると香り豊かなカレーになります。パウダーの場合は煮込でいる途中でいれても肉の臭み消しとしても使えます。
カレーと一緒に食べたい副菜も、スパイスを少し加えるだけでいつも食べているサラダもインド風になります。乳製品や卵との相性も良いので、スパイスをひとふりするだけで本格的な味わいになります。
カレーを盛り付ける器は、楕円のお皿がおすすめです。カレーの色がきれいに見える色の濃い濃紺や、茶色などもおすすめです。白いご飯に胡椒をふったり、ハーブなどを飾ってもお洒落に見えるので、仕上げにアクセントとして飾ってみてはいかがでしょうか?
盛り付け次第で普段のカレーもおもてなし風に大変身します。
今回のスパイスアレンジレシピを考えたのはこの方。
祐成二葉(すけなり ふたば)
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